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ドミナントモーション

ドミナントからトニックへ。これほど単純だが、大切な進行もないだろうと思う。もちろん西欧音楽、十二平均律という土台があっての話ではあります。あまりに長く付き合っていると麻痺してしまって、注意を怠る。 バンドの場合、特にベースとピアノ、ギターとピアノなどでこのドミナントモーションでぶつかることが多々あるのでアレンジは最新の注意が必要だ。 特にマイナー(短調)の場合は音がぶつかる(不協)するケースが多発する。 譜面にA7 / Dm7 と表記されている場合など、ピアニストが手癖や自分の好みで勝手にテンションを入れてA7♭9 → Dm7 としたのだが、ベースが以下のようなラインを弾いたので、

A・B・C#〜 この中のBと♭9のテンションであるB♭が短2度でぶつかってしまったケース。ベースはクラシック音楽で言うところの旋律的短音階を弾いたわけで、これはこれで間違いではないけれど、ピアノがテンションを入れているのならBの代わりにB♭を弾いてフレーズを考えないとサウンドが混濁してしまうと言う話。 そんなことは知ってるよ!って言われそうですが、ライブで対バンさんの演奏を聴くとオリジナルの場合では特に多発している定番ミスです。ポイントはその先にあって、では聞き手のお客さんの受け止め方です。これは特に楽器をやらない方でも耳は敏感に捉えて次のような感想につながります。 「なんだか素人っぽいよね」「どこか聴き難い音楽かも」 こう言う評価は通常、リズムが転ぶ、ドラムとベースのリズムがかっちり合わない、更に問題外でありながらアマチュアの代表的ポイント、チューニングがおかしい! ヴォーカルや弦楽器の場合のピッチが非常に悪い、、笑 という芳しくない状況に隠れてあまり取り上げられない問題ですが、オリジナル作品である場合、当然コード進行も自前のものになるので、特にヴォイシングに凝るタイプの音楽では精査が欠かせないでしょう。 どんな音楽でも終わらせなければならない。 終止(ケーデンス)させるときに、よりよいサウンドで持って行きたいのは作曲家なら誰でも例外はない。 しかし、ここで合奏が絡んでいる場合、楽譜を縦横に緻密に線を引き自然で綺麗な響きとなっているかをチェックする必要があります。 縦はヴォイシングであり、これが上手くいったとしたら、次は横のラインが円滑に流れているか、そういうことを深掘りしていきます。 あまりやり過ぎるとパズルの謎解きみたいになって、本来の音楽とイメージから遠のく危険があるかもしれないのでスピードを持ってやった方がイイかもしれない。 ストラヴィンスキー御大もおっしゃっているように「音楽の理論というのは副次的な存在であるべきだ」と。 理論は何かよい響きが生まれた時の確認(根拠)と、先の応用と変化に対するツールとして 在れば、それは作曲家の助けになるであろう、、ということでしょうか。 良きお言葉だと思います。

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